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the world as code

builderscon 2018 に行ってきた

昨年も行きましたが今年も行ってきました。このカンファレンス、「知らなかった、を聞く」をテーマに掲げていて、ガチもネタも含めセッションの幅が広く、いろんな話に触れられて楽しめるのというのと、よくわからないけど参加者が楽しそうにしているのを目にすることが多いので良いなという感じでいいカンファレンスだなーと思っています。昨日、なんかまたプライベートの時間に勉強するべきかみたいな話をTLでちらほら見かけて、元エントリー読んではいないけど、我々が何かを学ぶ、知るのって楽しいからであって、するべきかとかそういう話じゃないよなと個人的には。

今回ちょいとしんどかったのは、昨年はなかったと思うけど各セッション「満席」という扱いが設けられていて、立ち見含めある程度の人数が埋まったら入場できなくなってしまうこと。人気セッションは結構椅子取りゲームの様相を呈していて、自分も望みのセッションに入れないことが1回ありました。セッションの終わり頃にはすでに次の回を待つ人たちが部屋の外に並びつつあるような形で、まともにセッションを最後まで聞くと次に入れないみたいな不安を抱くような形だったので、ちょっとうーん、、、という感じはしました。それだけ人が増えたんですねー。あと Twitter のハッシュタグで流れてきてるけど、今回ベストスピーカー投票で上位取った人がみなさん名のあるエンジニアだったようで、表彰式がわりと内輪な空気になってしまったのもうーん、でした。

「Web とは何か?」 - あるいは「Web を Web たらしめるものは何か?」 - builderscon tokyo 2018

今回特によかったのは Jxck さん? Jack さん? のこの話で、 Web に新しい機能が追加されていくたびに、それは Web に必要なのか、それは Web らしい機能なのかという議論が起きるけれど、我々は Web とは何であると捉えていて、これまでそれはどう発展してきて、今後どこに向かうのか、というような包括的な話。もともとはハイパーメディアシステムとして出発した Web が、 Ajax 登場以後はインタラクティブな Application Platform に変わり、さらに最近はスマートフォンとの結びつきが強まり、デバイス制御まで手を出す Operating System に近いものになってきている。でも後方互換性を失うことはこれまでやっていなくて、 Web として従来メリットとして考えられていた部分は変わることなく、機能的に可能であることは議論の上で取り込まれていくのだ、という。

自分も一応 Web に育てられて、現在は Web があるからごはんが食べられているわけだけど、その実 Web が今どのようなものとして存在するのか、それが今後どう変化していくのか、あるいはなぜ自分は Web と共にあるのかについて、それほど考えてはこなかったな、と。自分の技術習得はどちらかと言えば後追いで、世間的に今こういう方向になりつつある、だからそれをキャッチアップしていこうと考える場合が多くて、そもそもその方向性が望ましいのかとか、その方向へ舵を切ろうとしているのは誰なのか( Web の場合、それは今 Google が強くて、セッション中では「対抗できるのは Mozilla だけ」という言及があったわけですが)という先端の部分をそれほど見ていなくて。自分が好きな、というか生きる礎になっている技術分野が、今後どうなっていくのか、それは本当に幸せな発展なのかということを、きちんと把握しておくという姿勢は見習わなくてはならないな、という感銘を受けました。

なんか、そういう全体感とか哲学とかって別にそれでそのままごはんが食べられる話ではないんだけど、別にごはんが食べたくてやってるのかって言ったら、我々そうじゃない部分は大きいはずなんですよね。最初に「楽しい」というキーワードを書きましたけど、本当にそれだなーというところで、もっと自分が生きる世界の動向に食らいつきたいなみたいなことを強く感じたのでした。こういう全体感の話ってLTだと短すぎて伝わらないし、質疑応答の中で今回についても話が深まる感じがあったので、こういうカンファレンスならではの話だったなと。

エンジニアとしての立ち位置を見直す良い機会になりました。