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the world as code

Scrapbox.ioで思考を気持ちよく繋げる

Scrapbox.ioを最近使っていますが本当にいいのでいいという話をします。

そもそもScrapboxって何かという話から言えば、いわゆるオンラインでメモが取れる、ノートが書ける、スニペットが保存できるという類のサービスです。Gyazoを運営しているNOTA Incによる開発です。

何がいいかと言えば、これは記録するためのメモツールというより、思考のためのメモツールだと言うことです。NOTAのshokai氏のエントリーでも以下のようなものがあります。

思考をブロックする要素を減らしたい - 橋本商会 - Scrapbox

Scrapboxが「思考のためのツール」たる特徴はいくつかあるのですが、Wikiで良くあるシステムのように、本文中にブラケットで囲んだ単語を入れると、それがリンクとなる機能があります。それだけだとまぁ普通なんですけど、ノートを書いているときにこのリンクを作ると、リアルタイムにその単語に対してリンクしたページがバババッとページの下に羅列されるのがとても気に入っています。

Scrapboxサンプル

こんな感じ。面白いのはリンク先のページのみならず、リンク先にリンクしたページ、つまり2ホップ先まで表示される点です。Christpher Nolanについて書こうとしたら、過去に彼の監督作で『ダンケルク』と『インターステラー』についても書いていたんだなぁってのが自動的に想起され、今回何かを書くにあたり、過去に何書いてたんだっけというのを見ながら編集ができたりとか、そういう「過去の自分との連想」ができる。

自分の場合は固有名詞はとにかく端からリンクにしてるんですが、そうすると自分でも忘れていた、過去に同じテーマに関して書いたメモがどんどんピックアップされてつながっていくんですよね。この手の「発想を繋げる」方法論、従来では情報カードを使い、机上でカードを広げてやる方式が梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』に載っていたりして有名ですが、まぁ手間はかかるし、確実ではない。得てして脳の「想起」の機能はランダムなものだし、カードでそれを補強しても完全ではない。Scrapboxは自動で漏れなくそれを実現してくれるのがとてもいい。

メモの整理で「タグを付ける」という方法論自体も古くからあるものですけど、メタ情報として付けるのではなく、単に文章を書きながら目についた固有名詞を囲んでいけばいいだけなので、思考を阻害されることなくタギング出来るってのもだいぶ気に入っています。

自分はそれほどスペックのいい脳味噌を持ってないんで、思考と記憶が外部化されて、さらにそれらが「勝手に繋がる」のが気持ちいい。気持ちいいので現状プログラミング以外のことでもとにかくぶち込んで繋げて遊んでます。オススメです。