Retrospective 2020
年間振り返りエントリー6年目。
昨年までは「総括」という単語を使っていたが、今年は Retrospective にしてみた。英語でかっこいいよね、という単純な理由もあるが、いま属している会社がスクラムを基軸としているので、個人の振り返りやタスクのサイクルの中でもスクラムのプラクティスを意識できればな、という思いもある。
昨年同様に定量、定性の両面で振り返る。
定量評価
ブログ
昨年比4本減の23本書いた。あんまり書いていないな、という自覚は自分でもあった。後述するけど、プライベートで技術探求やインプットがあんまり回っていなくて、学んだことをブログに書くサイクルを確立でてきていなかった。とはいえ本をそれなりに読んだりしてはいるし、単純に怠慢だとも言える。
Advent Calendar は今年も去年と同様、 Terraform と会社(グロービス)2本立て。どちらも Terraform ネタなんだけど、会社で書いたほうが LGTM とはてブをだいぶ集めてくれたのは嬉しいような微妙なような。
GitHub Contributions
Public repository で 466 。昨年が 290 なのでかなり増えたのだけど、なんで増えたのかがいまいちわかってない。が、今年も引き続き、使っている OSS で何かあれば issue や PR をちゃんと上げることを意識した。もう習慣になっていると言ってよさそう。 vuls でバグ報告したら15分で直った のがちょっと面白かった。
private のほうは会社が Kubernetes と Terraform で Infrastructure as Code が一段と進んだので 4000 越えてる。昨年比 2800 ぐらいの増加。その代わり GitHub Notification がパンクしててなんも読めてない、みたいな感じなので年末年始でどうにかしようと思ってたんだ。今思い出した。
読書
印象に残ったのをピックアップ。
- Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps
- 失敗の本質―日本軍の組織論的研究
- 静かなリーダーシップ
- エンジニアのためのマネジメントキャリアパス
- 独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法
- なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力
自分でもびっくりするぐらい「技術書」が少ない。理由としては Kubernetes という変化の早い分野が今年は中心だったので、本よりドキュメント読んでいるほうが多かった、というのはあったように思う。あとは O'Reilly Online で横断検索していろんな本から探っていたので、読了した本というとかなり少ない。その中でも特にいいな、と思っていたのが冒頭に上げた「Kubernetesで実践する〜」で、これが日本語で出版されたときは嬉しかった。 k8s の長期的な運用にフォーカスして、何を気にしなければならないのか、広範なエコシステムの中でどんなツールを使えばいいのか、ということを詳説した本で、右も左も分からない頃すごく役だった。
あとはチームリーダーになったために、マネジメントやリーダーシップ関連の本をよく読んでいた。結構な数は読んだと思うので、年が明けたら一旦こちらのインプットは停めて、また技術方面に軸を寄せたい。
定性評価
注力した領域
- Kubernetes
- 会社のプロダクション環境で Kubernetes が動き始めた。
- いまだに全然わからんと思いながらやっていっている。
- やることが多い、知るべきことが多い、大変。学習コストすんごい。
- でも好き。
- Terraform
- ずっと継続。自分の中で一番コアにいるツール。
- Terraform 自体より、自動実行とかライフサイクルを考えることが多かった。
- クラウドアーキテクチャ全般
- サーバーは要るか要らないか、コンテナは要るか要らないか、AWSは要るか要らないか、みたいな
- 選択肢がすごい増えているし、何がベストなのか考えるのが難しくなっている感覚
- SPA、SSG、SSR あたりを考え始めると、 SRE と言えどフロントも無視できなくなってきた
- リーダースキル
- 後述
ライフスタイル
激しく変化した。というか変化していない人はいないだろう。
インドアな人間なのでそこまでしんどくはないし、新しい生活様式を受け入れるのでてんやわんや、ということもなかったんだが、会社、プライベート含め「周囲はどうだろうか?」ということを考えると自分が良ければ OK とはいかなかったり。外出していいのか、あれはやっていいのか、旅行してもいいのか、みたいな、自分の行動すべてに関して是非の判断が入るような生活はとても疲れる。
おそらくこれは不可逆な変化なんだろう、とは思っている。今は転職を全然考えていないが、次に転職するとき、リモートワークを認めてくれない会社にはもう入れないだろうなと思う。コロナ禍が完全に沈静化するにはあと1年じゃ効かないと思っているが、それを終えた先に社会がどうなっているのかはまだわからない。変化にはまだまだ柔軟でいる必要がある。
リーダースキル
社会人生活10年目で、ちゃんと職責与えられてリーダーをやる経験を初めてした。名ばかりのは何度かあったが。
とはいえメンバー個々人がスキル高くて自主的にガンガン仕事するようなチームなので、マイクロマネジメントの必要もないし、リーダーが何かしなきゃって強い責務が生じているでもないのだけど、それでもリーダーって何やったらいいんだろうな?というのをずっと考え続けた1年だった。問題を解決したり、強い意見を出すというよりは、意思決定の最終決定をすることと、その決定された意思に基づいた活動を支えること、何か問題があったり、起きそうであればそれを取り除くことが職責なのかなと今は思っている。
それがちゃんと行動習慣に落ちているかというと、まだそうでもないので来年の課題。
常に疲れていた
これらの変化があったせいなのか、常に疲れているな、という感覚がある1年だった。
理由としては、ずっと家にいるが故に、家事、仕事、プライベートといったさまざまなタスクが全部常にスタックされている感覚があったのがひとつ。出勤していると、会社にいるときは仕事のことだけ考えればいいし、メリハリがあったんだけど、家で仕事をしていると昼休みのうちに洗濯できそうとか、お茶を入れているときに「このへん汚れてるから掃除しなきゃ」って気付いちゃったりだとか、そういう感じで「やること」が無限に増えるし、やろうと思えばいつでもどのタスクにも着手できる、っていう、メンタル的にはわりと地獄みたいな状態だった。
どうすればいいかな、と考えてみてもまぁどうにもならなさそうなのだが、やらなくていいことを増やしたほうが良さそうかなと思っている。長期的に考えると書斎がほしい。家の中であっても、物理的に隔離された場所で仕事をするのがベストっぽいように思う。
来年について
軽くいきたい。
がんばらない
最後に書いた「常に疲れていた」の話があるのでがんばらないようにしようかと。やることを減らす、やらなきゃって思わないようにすることを徹底したい。来年もコロナには悩まされそうだし、ちょっとギア落として、とにかく生存することを目標にする年というのがあってもいいんじゃないかと。
小さなサイクルを回す
別の言葉だとフットワークを軽くする。本を1週間ぐらいでザッと読むとか、気になる技術領域があったら、休日半日ぐらいでサッと触って感触をつかんでみるとか、それでその結果はちゃんとブログに落とし込んで、サイクルを小さく回していきたい。
やることが増えたことへの対処の1つになるとも思っている。1個1個の「やること」を小さくしてしまえば負担は軽くなる。インフラから SRE になったことで、知るべき技術領域がかなり増えたというのもある。先述したようにフロントエンドも気にしたりしているが、8年9年のキャリアで本当にフロントは一切触ってこなかったりしたので。広く浅く、サービスの信頼性を守るための知識をつけたいな、という気持ちが強い。
技術的な興味、方向性
今あんまり手を出したい技術というのがなくて。 Kubernetes が大変なのでもっとやらなきゃってのでいっぱいなのでそれでいいかなとは思っている。あとは「小さく」というところで知らない技術を触る、少しだけ触るという機会はどんどん設けたい。この年末年始も Next.js でブログを作ることをしていて、実はもう出来上がっていてあとはリダイレクト設定するだけだったりする。新しいことをやるのはやっぱり楽しいので、なんだろう。これをやるぞ!って決めるというよりは、ノリでやっていこうかな、と。
こんなとこだろうか。社会は大変な状況だけど仕事は面白くてのっている感覚はあるので、無理せず楽しく来年は生きていきたい。