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帝京大学通信課程での社会人大学生4年目を終えて

帝京大学理工学部情報科学科通信課程の4年目(5年生)が終わったので今年も記録する。今年も卒業はできてません。過去の経緯は tag: university からどうぞ。

単位修得状況

評価 2年次 3年次 4年次 5年次
S 8 2 4 2
A 12 8 6 8
B 4 4 6 4
C 0 4 0 0
合計 24 18 16 14

順調(?)に年間の修得単位数は減ってきており、もう少し取っておきたかったのが正直なところ。ただ、今年は全4期のうち、最後のIV期は試験日程が合わずに受講しなかったため、例年の75%の期間でこれだけ取ったと思えば及第点か。

残り20単位で卒業できる。来年度でギリギリなんとかできたら嬉しいが、こう見ると若干厳しそうにも思えてくる。が、とりあえずは来年度での卒業を目標にしている。

初めて通学機会がゼロに

通信課程と言えど原則的に試験は対面実施なのだが、コロナ禍ではオンライン試験に切り替えられることが多く、2022年度はついに帝京大学への通学機会がゼロで終わる初めての年になった。正確には対面試験自体は実施されたのだが、系列の帝京平成大学中野キャンパスが会場となり、帝京大学へ行くことがなかった。なぜ会場が切り替わったのか、背景は説明されておらずわからない。ファミマでよく耳にする例の大学にまさか自分が行く機会があるとは思っていなかった。

とはいえ、22年度を通じてオンライン試験が主になったことについては良かったと思っている。もともと試験のオンライン実施については、緊急事態宣言もしくはまん延防止等重点措置が発令されていることが条件だと大学側から宣言されていたのだが、22年においては感染者数、死亡者数、病床使用率などが従来と同程度の水準になってもこれらの措置が取られることなく、客観的な条件としてはもはや意味を成していなかった。特に昨夏の第7波においては自分の周囲でも感染者がかなり増え、自身が濃厚接触者になって試験に向かえない事態になることをかなり恐れたのだが、結局のところ大学側は感染状況を踏まえて柔軟にオンライン化の判断をしてくれるようになった。思えば弊学は医学部を有し、板橋キャンパスにおいては大学病院が併設されてもいるので、感染症に敏感な部分もあったのかもしれないと想像する。

なお、23年度に関しては早々と全面オンライン試験化が発表されている(恒久的な話なのか、一旦1年間の話なのかはわからない)。このままいくと卒業まで二度と通学しなくなりそうで、さすがにそれは嫌だなぁという思いもあったりはしている。

試験日程とプライベートの兼ね合い

先述した通り、22年度は年度はじめの時点でIV期の試験日に予定が入ってしまっており、全体の4分の3の期間で単位修得を狙うしかなかった。こういった事態は4年目にして初めてだったが、社会人大学生をしていると当たり前のように生じる話ではあり、難しさを感じるところだった。例えば年末など、時期的に勉強時間を取るのが厳しい「期」というのはこれまでもあったが、試験日が空かないとなるともはやどうしようもなくなってしまう。

丸々1期分空いたのはメリットでもあって、例年年末年始休暇にレポートを頑張り、2月頭まで勉強していたのが、今年は12月頭までで大学から解放されたので、他のことにかなり時間を使えた。

とはいえ自分も若くはなくなってきており、仕事というよりはプライベートに比重を置くべき場面が増えてきてもいる。そういったことを鑑みても、早めに決着をつけたいな、と思う5年目を迎えている。

受けて良かった科目

今年は電気回路、電磁気学などの計算機関連以外の科目をかなり取っていたので、直接的に「よかった」と言えるのは以下2つぐらい。電気回路の知識などは、自作キーボードで電子工作に手を出しているので面白くはあったものの、正直1年後には忘れてそうな気がしている。

情報セキュリティ

共通鍵暗号、公開鍵暗号のような基本から始まり、ゼロ知識証明、Information Hiding、ISO/IEC 15408といった、自分がそれほど知見のない部分にまで絡む内容で純粋に勉強になった。各種暗号のアルゴリズムなどを実際に数学的知識を使って簡単に解いてみるような力も求められるので、結城浩先生の本などで「概念は知っている」という程度で済ませていた間隙を突かれた感じもあった。

システム科学

いまだに「システム科学ってなんですか?」と聞かれると答えづらくは感じるが、これも広範かつ興味をそそられる内容で楽しかった。UMLやPERTなどを用いたシステム計画技法、数理計画法などによるシステム最適化、システム信頼性、さらには複雑系の概念やゲーム理論まで取り扱った。

面白かったのはジョン・フォン・ノイマンがかなりフィーチャーされていたことで、彼の業績をまとめる課題があったので、いろいろと自主的に調べたりもしていた。この道にいればノイマンを知らないということはなかったが、ゲーム理論の確立にまで関わっていたことなど、把握できていないことも少なくなかった。システム、コンピュータというものの成り立ちを紐解くと、やはりノイマンを避けられないのだなと改めて思った。